この記事に含まれる全ての画像はDesmosのスクリーンショットです。
この記事は、「連載 グラフアートを描こう」の第11回です。
第1回
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第2回
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第3回
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第4回
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第5回
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第6回
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第7回
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第8回
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第9回
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第10回
を読んでいない人はそちらから読んでいただくとより理解が深まります。
今回からは、Desmos特有の機能について紹介していきます。
実数$ a $をいろいろ動かすと、$ y = x + a $のグラフはどのように動くでしょうか。
もちろん、上下に平行移動しますね。
今回は、これをDesmosでやってみましょう。
Desmosで、$ y = x + a $と入力すると、このような表示になります。
$\text{Desmos}で\hspace{1mm}y = x + a\hspace{1mm}を入力した時の様子$
グラフが表示されずに、エラーとなりました。
これは、Desmosが「$ a $ってなんやねん!(超意訳)」と言っているのです。
では、グラフの数式を入力する欄に「$ a = 1 $」と入力して、$ a $の値をセットしてみましょう。
$a\hspace{1mm}の値が入力され、グラフが表示された$
$ y = x + 1 $のグラフが表示されました。
$ a $の値を変えると、線がいろいろな位置に移動することが分かると思います。
上の画面で、「$ a = 1 $」の下にスライダーがあることに気が付いたかと思います。真ん中の青い丸を左右に動かすと、$ a $の値を調整することができます。実際にやってみると、それに応じてグラフも上下に移動していることが分かると思います。
また、両端の値はクリックして変えることができます。右端の$ 10 $をクリックすると、次のような表示になります。
範囲を入力する欄
$ -10 \leq a \leq 10 $と書かれている部分に範囲を入力します。Step: と書かれている部分は区切り幅で、これを指定すると$ a $の値がその幅ずつ増えるとびとびの値しかとらないようになります。
Step: が空欄の場合は連続的に値を変化させることができます。
では、$ -10 \leq a \leq 10 $を$ -3 \leq a \leq 5 $に書き換えてEnterキーを押して、スライダーの様子を見てみましょう。
スライダーの値の範囲が変更された
値の上限と下限が変わりました。
$ a $の値を設定する欄の左に、「再生ボタン」があることに気が付いたかと思います。
再生ボタン
押してみると、$ a $の値がスライダーに設定した範囲で上下し、線が上下に往復していることが分かると思います。
もう一度同じ場所を押すと、値の変化が止まり、その時点の値でのグラフが描画されます。
再生ボタンの下にある矢印は、どのように値を変化させるかの設定です。クリックすると、このような吹き出しが現れます。
再生設定
上にある4つのボタンは左から順に、
となっています。
また、下の「Speed」の欄は再生速度です。$ \ll $と$ \gg $のボタンをクリックすることで、数字が変化する速度を調整することができます。
この機能を使ってDesmosで動くグラフアートを作る人がいるようですが、動くグラフアートは上級者向けなので、最初はグラフの位置や形を微調整するのに使うことをおすすめします。
定数は複数設定することができます。試しに、$ y = ax + b, a = 2, b = 1 $としてみましょう。
定数を複数設定した
$ y = 2x + 1 $のグラフが描かれました。
定数は何個でも設定できるので、これを使って複数の数値を動かしたときの様子を確認することができます。
また、グラフごとに独立した定数を設定するという使い方もできます。
グラフごとに定数を設定する
むしろこちらの使い方の方が多いかもしれません。
(トリビア: この2つのグラフで囲まれた部分の面積は簡単な積分で求められますが、これは積分の記事ではないので読者への演習問題とはしません。その答えは$ \frac{8\sqrt{2}}{3} $です)
定数を定義する際の右辺は、必ずしも数値である必要はありません。数式を入力してもかまいません。
たとえば、$ y = cx, a = 1, b = 2, c = a + b $としてみましょう。
$c\hspace{1mm}に数式を定義した$
$ c = 1 + 2 = 3 $なので、$ y = 3x $のグラフが表示されていますね。
また、$ c $の欄にはスライダーが表示されず、その代わり$ c = 3 $と右下に表示されています。これは、$ c $の値が$ a $と$ b $の値に依存して決まり、それ自身独立して値を設定できないことを意味しています。
実際、$ a $と$ b $の値を変えると、それに応じて$ c $の値とグラフが変化することが分かると思います。
定数をいくつか設定し、グラフを動かすことができるようになりました。
次回は、グラフによくあらわれる数式を共通化するために、関数を設定してみましょう。
第12回は、「関数の定義」です。
可能な限り連載を続けるようにしますが、作者失踪などで連載が中断する可能性もあります。連載が中断したことによる読者への不利益に関して、作者は一切の責任を負いません。