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大学数学基礎解説
文献あり

Steinerトリプルシステム

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  1. Fisher不等式

  2. 自己同型群

  3. アフィン平面

  4. Steinerトリプルシステム

    1. STSの直積


  5. Mathieu群 M11M12

    1. S(2,3,9)の性質

    2. S(3,4,10)の構成


構成したSteinerシステム

(2,3,7) , (2,3,9) , (2,3,13)NEW
(3,4,8)

STSの定義と存在条件

 S(Ω,B)=S(2,3,v)の形のSteinerシステムを特にSteinerトリプルシステムと呼び, STS(v)STS(Ω)と表記する. STS(7),STS(9)はそれぞれ位数最小の射影平面とアフィン平面である.

証明 (Kirkman)

(必要)
§1-定理3 からブロックの個数はv(v1)6.
v(v1)は偶数で, vv1のいずれかが3の倍数であればブロックの個数は整数となる.
したがって, v1,3(mod6)
(十分)
[i]v1(mod6)のとき
v=6t+1とおき,
X:={x1,x2,,x2t}Y:={y1,y2,,y2t}Z:={z1,z2,,z2t}
によりv点集合Ω
Ω:=XYZ{α}
と定める.
次に, [1t+12t+22t1t2t]を左にスライドして得られる2t×2tのラテン方格
Le:=[1t+12t+22t1t2tt+12t+23t2t12t+23t+32t1t+12t1t2t1t22t2t1t2t1t+12t2t12t12t1t+12t12t1t]
を考える.
l(i,j)Le(i,j)成分として, 定義からl(i,j)=l(i+1,j1).
ただし, pp2tで割った余りとする.
j=i+kとすると,
l(i,j)=l(i+1,j1)=(i+2,j2)==l(i+k,jk)=l(j,i)
より, Leは対称行列である.
l(i,i)=l(i1,i+1)=l(i2,i+2)==l(1,2i1)
から, 対角成分は
l(i,i)={i1ititt+1i2t
と表される.
以上のことから,
{(xi,xj,yl(i,j)),(yi,yj,zl(i,j)),(zi,zj,xl(i,j))1i,j2t,ij(xi,yl(i,i),zl(i,i))1it(xi,yl(i,i),α),(yi,zl(i,i),α),(zi,xl(i,i),α)t+1i2t
のように3つ組を構成したとき, これらはSTS(v)=STS(6t+1)のブロックであることが簡単に確認できる.
[ii]v3(mod6)のとき
v=6t+3とおき,
X:={x1,x2,,x2t+1}Y:={y1,y2,,y2t+1}Z:={z1,z2,,z2t+1}
によりv点集合Ω
Ω:=XYZ
と定める.
次に, [1t+22t+3t2t+1t+1]を左にスライドして得られる(2t+1)×(2t+1)のラテン方格
Lo:=[1t+22t+3t2t+1t+1t+22t+332t+1t+112t+33t+4t+11t+2t2t+1t+112t1t12t2t+1t+11t+2t12ttt+11t+222tt2t+1]
を考える.
l(i,j)Lo(i,j)成分として, 定義からl(i,j)=l(i+1,j1).
ただし, pp2t+1で割った余りとする.
[i]と同様にLoは対称行列で,l(i,i)=l(1,2i1)だが,
[1t+22t+3t2t+1t+1]i列目の成分は2i1と書けるため,l(i,i)=iが成り立つ.
以上より
{(xi,xj,yl(i,j)),(yi,yj,zl(i,j)),(zi,zj,xl(i,j))1i,j2t,ij(xi,yl(i,i),zl(i,i))1it
のように3つ組を構成したとき, これらはSTS(v)=STS(6t+3)のブロックであることが簡単に確認できる.

例. STS(13)の構成


 Kirkmanの証明に沿ってSTS(13)を実際に構成する.
13=62+1であるから, 4×4のラテン方格
[1324324124134132]
を利用する. 13点集合Ω={1,2,,13}を次のように添え字付けしておく.
X={x1=1,x2=2,x3=3,x4=4}Y={y1=5,y2=6,y3=7,y4=8}Z={z1=9,z2=10,z3=11,z4=12}
ラテン方格の非対角成分から
(x1,x2,y3),(x1,x3,y2),(x1,x4,y4),(x2,x3,y4),(x2,x4,y1),(x3,x4,y3),(y1,y2,z3),(y1,y3,z2),(y1,y4,z4),(y2,y3,z4),(y2,y4,z1),(y3,y4,z3),(z1,z2,x3),(z1,z3,x2),(z1,z4,x4),(z2,z3,x4),(z2,z4,x1),(z3,z4,x3)
左上の対角成分から
(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)
右下の対角成分から
(x3,y1,13),(x4,y2,13),(y3,z1,13),(y4,z2,13),(z3,x1,13),(z4,x2,13)
を得る. 数字に戻し, 列挙すると
STS(13)={(1,2,7),(1,3,6),(1,4,8),(2,3,8),(2,4,5),(3,4,7),(5,6,11),(5,7,10),(5,8,12),(6,7,12),(6,8,9),(7,8,11),(3,9,10),(2,9,11),(4,9,12),(4,10,11),(1,10,12),(3,11,12),(3,5,13),(4,6,13),(7,9,13),(8,10,13),(1,11,13),(2,12,13),(1,5,9),(2,6,10)}
となる.

補遺. 簡単なSTS(13)の構成法


 一般のSTSの構成法が得られたわけだが, STS(13)の場合には, より簡素な構成法がある. xZ/13Zとして,
(x,x+1,x+4),(x,x+2,x+7)(mod13)
とブロックを構成すれば, STS(13)をなしている. 列挙すると
(0,1,4),(0,2,7),(1,2,5),(1,3,8),(2,3,6),(2,4,9),(3,4,7),(3,5,10),(4,5,8),(4,6,11),(5,6,9),(5,7,12),(6,7,10),(6,8,0),(7,8,11),(7,9,1),(8,9,12),(8,10,2),(9,10,0),(9,11,3),(10,11,1),(10,12,4),(11,12,2),(11,0,5),(12,0,3),(12,1,6)
これは13角形上の2種類の三角形を回転させることによって得られたブロックだと解釈できる.

参考文献

投稿日:28日前
更新日:13日前
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有限群論 好きな群は6次対称群

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  1. STSの定義と存在条件
  2. 例. STS(13)の構成
  3. 補遺. 簡単なSTS(13)の構成法
  4. 参考文献