現代数学
文献あり

層理論と導来圏

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層理論と導来圏の表紙

概要

層とその導来圏について解説します.前層・層の定義から始めて層のアーベル圏と層係数コホモロジーについて述べ,それらの利点を解説します.またコホモロジー函手の抽象化である導来函手についても説明します.次に層に対する様々な演算を導入してそれらの性質を見ます.導来圏のインフォーマルな説明の後,導来圏の枠組みを層理論に用いると何が得られるかを詳しく解説します.特に,Poincaré双対性の一般化である上付きびっくりの存在について詳しく述べます.最後に層の導来圏を通してホモロジーや特性類がどのように解釈されるかを見ます.

目次

  1. 前層と層・層化
  2. 層のアーベル圏と完全列
  3. 標準脆弱分解と層係数コホモロジー
  4. 導来函手と層係数コホモロジー
  5. 層に対する演算1(内部演算)
  6. 層に対する演算2(順像と逆像)
  7. 層に対する演算3(固有順像)
  8. 層に対する演算4(台の切り落としと相対コホモロジー)
  9. 導来圏と導来函手
  10. 層の導来圏と層に対する演算
  11. 上付きびっくり(Poincaré-Verdier双対性)
  12. 層の導来圏とホモロジー・特性類

参考文献

[1]
Masaki Kashiwara and Pierre Schapira, Sheaves on Manifolds, Grundlehren der mathematischen Wissenschaften, Springer, 1990
[2]
Birger Iversen(著),前田博信(訳), 層のコホモロジー, 丸善出版, 1995
[3]
廣中平祐(講義),森重文(記録), 代数幾何学, 京都大学学術出版会, 2004
[4]
上野健爾, 代数幾何, 岩波書店, 2005
[5]
Masaki Kashiwara and Pierre Schapira, Categories and Sheaves, Grundlehren der mathematischen Wissenschaften, Springer, 2006
[6]
Alexandru Dimca, Sheaves in Topology, Universitext, Springer, 2013
[7]
Sergei I. Gelfand and Yuri I. Manin, Methods of Homological Algebra, Springer Monographs in Mathematics, Springer, 1997
[8]
Joseph Bernstein and Valery Lunts, Equivariant Sheaves and Functors, Lecture Notes in Mathematics, Springer, 1994
[9]
Jean-Pierre Schneiders, Introduction to characteristic classes and index theory, Textos de Matemática, Faculdade de Ciências da Universidade de Lisboa, 2000
[10]
Alexander Grothendieck, Sur quelques points d'algèbre homologique, Tohoku Math. J., 1957, pp. 119--221
投稿日:202152

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層理論が好きです.広い意味での代数解析についての記事を書いています.