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フィッシャー不等式
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算術三角形
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自己同型群と拡大・縮小
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アフィン平面
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相互直交ラテン方格
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シュタイナー三重系
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STSの直積
- マシュー群 と
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の性質
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の構成
-
と
- 射影平面
- ブルック-ライサーの定理
- シュタイナー四重系
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正測体とSQS
構成したシュタイナーシステム
(2,3,7)
,
(2,3,9)
,
(2,3,13)
,
(2,3,117)
(2,4,16)
,
(2,5,25)
(3,4,8)
,
(3,4,10)
(4,5,11)
(5,6,12)
本筋から逸れる証明は折畳んでいる場合があるが, クリックで開くことができる.
射影平面は位数が素冪であれば存在するが, それ以外の存在については一部を除いて未解決である. そして, その一部が次の定理による.
定理1 ブルック-ライサーの定理
のとき, 位数の射影平面が存在するための必要条件は, が二平方和で表されることである.
位数の小さい射影平面の存在と非同型の数については下の表の通りである.
位数の非存在はブルック-ライサーの定理から直ちに導かれるが, に関しては1989年に計算機によって存在しないことが証明された. 位数の存在と位数の非同型の数は現状未解決である(はず).
平方和に関する補題
補題2
素数に対して,
を満たす整数が存在するなら, は二平方和で表せる.
が最小になるようを満たすを取る.
このとき, 即ちを仮定して矛盾を導く.
なるが取れ,
であるから, と書ける.
より
となるがから, これはの最小性に反する.
したがって, で.
補題3
について
が成り立つなら, は二平方和で表せる.
[i] の素因数分解がのように平方数を含んでいない場合, 補題2から各々の素因数は二平方和で表せ,
を帰納的に用いれば, は二平方和で書ける.
[ii] の素因数の中に平方数が含まれていた場合, 即ちのとき,
から[i]の議論に帰着できる.
定理4 ラグランジュの四平方定理
任意の自然数は4つの平方数の和で表せる.
本題と逸れるため省略. 有名なので調べればすぐにヒットする.
証明
定理1(再掲) ブルック-ライサーの定理
のとき, 位数の射影平面が存在するための必要条件は, が二平方和で表されることである.
証明
, の接続行列をとすると,
フィッシャー不等式の証明での議論
を再利用して, 次のことが分かる. よりは正則. また, の成分は
と表されたことから,
が成り立つ. ただし, は全成分がの次正方行列である.
ここから変数を用いて証明を進めるが, これらの値は後で都合の良いように取り決める.とすると
より
ここで, 仮定から
であり
と書ける. ラグランジュの四平方定理から, と分解でき
とおくと, よりは正則. 各に対して
と変数変換すると
であるから式は
いま, とはともにの線型結合であったから各に対して, を満たすようにの値を決めることができる. したがって, 式は
となり, 補題3からは二平方和で表せる.